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観ると人間不信になりそう!? 『アメリカン・スナイパー』レビュー

2019.04.12 カテゴリー: レビュー 映画

今回感想を書かせていただくのは、2015年2月21日公開の『アメリカン・スナイパー』です。ネタバレ注意!です。

以前違うブログで書いた記事ですが、こちらのサイトに加筆移行させています。

この作品はクリント・イーストウッドが監督ということで『父親たちの星条旗』・『硫黄島からの手紙』で渡辺健や嵐の二宮和也が出演したことでも有名ですね。今回も戦争ものです。

目次

作品概要

キャストは、
クリス・カイル役/ブラッドリー・クーパー
タヤ・カイル役/シエナ・ミラー
その他…

クリス役のブラッドリー・クーパーはどこかで見たような気がしたんですが『ハングオーバー!』シリーズに出てましたね。そこまで有名なキャスト陣を起用しているわけではないんですがどの俳優も名演技でした。

 『アメリカン・スナイパー』はテキサスに住む主人公クリスが兵隊となり、次第に戦場に心を蝕まれていきます。
その中で戦場と家族に対するクリスの心情を細かく描いたものです。またクリス・カイルは実在する人物で今回の作品もクリス自身が書いた自伝を映画化したものです。

そしてクリスは兵士になった…(?)

序盤は戦場に行くまでの過程を描いています。少年時代から結婚までは自伝だからしょうがないもののクリスが兵士になるきっかけがちょっと安易というか安直でした。

映画は9.11以降のイラク戦争を描いていますが、予告で宣伝していたような「無双スナイパー」ものというよりドキュメンタリーのようにも感じました。
特に序盤も序盤のクーパー兄弟の絆のようなものの描写や伏線は中途半端な回収しかされず、父親の「お前は番犬だ」話もクリスの人格形成にどうかかわってきたのかという細かい説明はありませんでした。

この時点で『アメリカン・スナイパー』は戦場シーンがメインの映画なんだなとある意味心を決めて観れたのでストーリーはとりあえず二の次で見てましたがそれは後々…

FPS厨よ、これが戦場だ

中盤はひたすら戦場に心を奪われていくクリスを映しています。他のシーンをないがしろにしてでもこの戦場シーンは観応えがありました

FPSなどのゲームでは味わえない戦場の緊張感バリバリ伝わってきます。
スナイパーのスコープを覗いているときの息づかいや、いつ攻撃を受けるかもしれない不安や恐怖がまさに手汗握るほど伝わってきます

映画館で鑑賞して、7.1chだったということもあると思いますがホントいろんな方向から銃声聞こえます。これは劇場じゃなきゃ味わえない臨場感ですね~…

そういえば気になりましたので調べました。クリスの使ってたスナイパーライフル
The SOCOM MK 13」てやつらしいです。ちなみに自分の好きなスナイパーライフルはM200です(聞いてない

やはりイーストウッドは偉大だった

さっきはストーリーに文句付けましたが最終的にはめちゃ感動しました。自伝なので事前に調べておけばストーリーはわかるんですがこれは何も知らない方が楽しめると思います。

言ってしまえばクリスは死んでしまうんですがその逝き方が泣ける。戦場で「伝説」と言われるほどの腕前をもつクリスは家庭に戻っては来ても戦場のことをずっと考えてしまう。

戦場に戻り仲間の仇を討った時にクリスは家族への心を取り戻すわけですがそこは敵地のど真ん中。命からがら逃げ延びることができたクリスは再び家族の下へ帰るがまだ戦場の影響を受けるクリス。しかしクリスは家族や元兵士との触れ合いを経て元の心を取り戻していく。

そしてラストシーン。兵士になりたいという男を手助けすると言って出かけていくクリスと男の姿を怪しげな視線で見送る妻・タヤ。映像はそこで終わりクリスがその日殺されたという旨のテロップが出て終幕

物語後半のクリスの心情の変化はめまぐるしくて汲み取るのに少し時間がかかりましたが、家庭と戦場の二つを分けて考えることができるようになった後の終幕は残酷でした。「子を持つ父」というテーマの下、戦争に加担する子供を殺すしかない場面で葛藤する演技はまさにアカデミー賞ものでした。死にそうになってまで助けたかった「兵士」に殺されるというのはテーマそっちのけで心揺さぶられます。

本編の感想はここまでとして、驚いたのはエンドクレジットですね~。無音でした。劇中の音楽とかテーマ曲とかなし。黒画面と白文字だけだった。クレジット前のクリスの葬儀の映像を受けて黙とうの時間のつもりかなとも思ったり。なんにしろアニメとかギャルゲだったら完全にバッドエンドの終わり方だよあれ

まとめ

細かい部分を抜かしてかいているので感動が伝わりにくいですが、タヤ・カイル役のシエナ・ミラーの演技が個人的にはとっても良かったと思いました。家族を置き去りにするクリスのことを突き放そうとするもののそれが愛ゆえの表現なんですね~。物語序盤の浮気どうこうの話はタヤとの関係をより本物に見せるためのものだったのかもしれん。

<追記>
そういえばクリスが「伝説」と呼ばれていることで思い出したけど、クリスは米国内では「レジェンド」だが相手国にとっては伝説級の「化け物」であって。
ウィル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』もあれはゾンビから見たらウィルは仲間を研究する「化け物」なわけだから見方って大事だよね。映画はいろんな角度から物を見るいい機会だと思います。

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2019.04.12 カテゴリー: レビュー 映画